毛細管現象とは?
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ミニチュア製作は、小さな物を作る作業なので、いろいろと物理的な制約を受けることが多いです。今回は、『毛細管現象』について解説したいと思います。
まずは、Wikipediaを参照・引用すると…。
毛細管現象(もうさいかんげんしょう、英: capillary action)とは、細い管状物体(毛細管)の内側の液体が管の中を上昇(場合によっては下降)する物理現象である。毛管現象とも呼ばれる。
厳密性を無視した簡単な原理を次に示す。
- 表面張力によって液面は縮まろうとする方向に力が加わっている。
- 壁面付近の傾きをもった液面が縮まろうとすることによって結果的に水面を持ち上げる。つまり、液体の上昇する力は壁面付近の表面張力の垂直成分に等しい。
- 上の二つの力と持ち上げた液体の重さがつりあうまで液面は上昇する。液体の重さは密度×体積(管断面積×高さ)で求まるが、細い管の場合はこの管断面積が微小となる。このため液面の上昇する高さは非常に大きいものとなる。
この説明わかりますか?正直、わかりにくいと思います。
ざっくりと説明すると、液体は、細いトンネルや溝に入り込もうとする性質があるということです。
粘度の低い、サラサラの液体であればあるほど、この性質が強くなり、トンネルや溝が小さく細ければ細いほど、この性質が強くなります。(逆に言えば、粘度の高いドロドロの液体や、太くて大きなトンネルや溝だと、毛細管現象は起きにくくなりますね。)
もう少し具体例を挙げましょう。乾いた筆に、インクをつける場合。
筆先がインクの表面に触れた瞬間に、筆の毛(穂)の中までインクが吸い上がるはずです。筆の毛と毛の間(細いトンネルや溝)に、インクが入り込もうとする性質、いわゆる『毛細管現象』によって、このような現象が起きます。
もう1つ身近な例を挙げましょう。そうめんや、ざるソバを食べるときを思い出してください。
最初は、いっぱいあった麺つゆやソバつゆも、食べ進むにつれて、どんどんなくなってしまうと思います。
これは、細い麺と麺のすきまに、液体である「つゆ」が、インクにつけた筆と同じように、入り込むこと(毛細管現象)によって、つゆの量が減ってしまうからです。(実は太麺だと、つゆやスープと絡みづらい。つゆやスープと1番絡みやすいのは、極細ストレート麺。)
ちなみに、そうめんで有名な『揖保乃糸』には、通常の素麺よりも細い『三神(さんしん)』という最高ランクの素麺があります。
『三神』の麺の直径は、0.55mm~0.6mm。通常のそうめんの麺の直径は、0.7~0.9mmだそうです。三神は、麺つゆと絡みやすく美味しいと評判のようですが、『毛細管現象』を知っていると、納得できるかもしれません。
ガンダムなどのプラモデル製作でも、希釈したエナメル塗料を、プラモデルの溝やモールドに流し込む塗装法『スミ入れ』がありますが、これも『毛細管現象』を利用した技法ですね。
また、プラモデル用の接着剤などに、『流し込みタイプ』というモノがありますが、これも『毛細管現象』を利用する接着剤です。