Windows標準フォントの商用利用について
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以下の記事が話題に。
中国でのお話。WindowsやMacに標準搭載されている中国語フォントを商用で利用していたら、フォント製作元の会社からライセンス料の請求をされたという内容です。
個人的には、フォントの著作権者が、商用利用には別途ライセンス料が必要と言っているのなら、それはその通りでしょうという当然の話ではありますが、気になったのは、この記事に対して、中国語フォントの問題点として考えている方がいたことでした。
しかしながら、これは何も中国語フォントだけの問題ではありません。フォント全体の問題です。日本語フォントも例外ではありません。
少し古い記事ですが、Windowsに入っているフォントの商用利用を考えた方がいらっしゃいます。
Windows XPに入っている『Trebuchet』というフォントを使って、Webサイトのロゴ製作などを考えていて、実際にマイクロソフトに問い合わせた結果は下記に。
ご質問につきましては、フォントを自由に使用していいという意味ではなく、商用利用を希望されるお客様は、Acender Corporationからライセンスを受けた上で、その範囲内でお使いいただけるという趣旨です。
たぶん、『Trebuchet』というフォントの著作権者がAcender Corporationなんでしょう。「著作権元の許可を得たのなら、商用利用できますよ。」という当たり前の回答ですね。
というわけで、デザイナーの皆さん、OSに最初から入っているフォントだからといって、勝手に使っちゃ駄目なんですよ。
逆に言えば、フォント著作権者の許諾を得れば、商用利用できるかもしれません。
フォントの著作権者は、フォントファイルのプロパティを確認するとわかります。
たとえば、Windows標準フォントとして有名な『MS ゴシック』の場合。
著作権者は、リコー社です。
以下は、実際にリコー社に問い合わせて回答を得られた、2008年のブログ記事。
>③年賀状等挨拶状の本文、及び宛名
>④FAX送付状
使用いただいて問題ございません。
>⑤名刺印刷
>⑥広告、チラシ
商用使用許諾の契約が必要です。
MS ゴシック等を使用した印刷物の場合、「名刺印刷」や「広告・チラシ」などは、商用利用にあたり、別途ライセンス契約が必要だったみたいです。
しかしながら、今は少し緩和されているようで、印刷物に関しては、追加の許諾なしに商用利用できるという回答を得られた方もいます。
そして、上記の記事中でも言及されていますが、Windows Vistaから搭載された『メイリオ』フォントも、商用可能なようです。
ちなみに、『メイリオ』フォントの著作権者は、マイクロソフト社ですね。
ただ、Windows8.1から採用された『游ゴシック』の場合…。
フォント著作権者は、字游工房社です。
このフォントに関しては、マイクロソフトのフォーラム内でも、結論は出ていないので、商用利用は避けたほうが無難かもしれません。
字游工房社のフォントは、販売されていますから、商用利用したい場合は、商用ライセンス付きのフォントを購入したほうがよいでしょうね。
以上、OS搭載のフォントでも、そのフォントの著作権者の許諾なしでは、自由に使える訳ではないという話でした。