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デジタル画像のラスタ形式とベクタ形式の違い


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パソコンで絵を描くソフトを、ざっくりと分類すると『ペイントソフト』と『ドローソフト』の2種類になります。

 

ペイントソフトは、GIMPやPhotoshopといったソフトが有名です。(これらのソフトは、写真加工ソフトという意味の『フォトレタッチソフト』という呼び名もありますが…。)

 

ドローソフトの代表格は、IllustratorやInkscapeなど。

 

デジタル画像も、ざっくりと分類すると『ラスタ形式』の画像と、『ベクタ形式』の画像の2種類に分類できます。

 

ペイントソフトは、ラスタ形式の画像を主に扱い、ドローソフトはベクタ形式の画像を扱うのが得意です。

 

ラスタ形式の画像とは、点(ドット)で構成された画像のこと。点をいっぱい使うことによって絵を表現しています。ただの小さな点の集まりなので、絵の形などの情報は持っていません。ラスタ形式の画像を拡大すると、点も拡大されるので、輪郭がギザギザになったりと、画像が粗くなりがちです。

 

ベクタ形式の画像は、絵の形を座標で管理して表現しています。たとえば、直線であれば、線の始まる点から終わる点までの位置情報を記録しているので、画像を拡大したとしても、その拡大率に応じて再計算をした後に線を表示しなおすので、輪郭がなめらかなままの画像表示が可能です。

 

文章で説明するよりも、実際に体験してもらったほうが理解が早いでしょう。スマートフォンかタブレット端末で見てもらいたいのですが、以下にラスタ形式の画像と、ベクタ方式の画像を掲載します。

 

ラスタ形式の画像(PNGファイル)のロゴ。

 

f:id:mini-mono:20170118225837p:plain

 

ベクタ形式の画像(SVGファイル)のロゴ。

 

(少し古いブラウザ(インターネット閲覧ソフト)を使われている方は、2つ目の画像が表示されていないかもしれません。)

 

この2つの画像は、通常の表示であれば差がわかりにくいと思います。スマートフォンやタブレット端末で見ていらっしゃる方は、この2つの画像をピンチアウト(2本の指で画面をタッチして、指と指の間をひろげる動作)で拡大されてください。

 

ベクタ形式で作成された下の画像(2枚目の画像)は、拡大しても輪郭がなめらかだと思います。ベクタ形式の画像は、形のデータを保持しているので、拡大表示をしても、その拡大率に応じて再計算を実施してから画像を再表示するので、拡大しても画質が粗くなりません。

 

上の画像(1枚目の画像)は、拡大すればするほど、輪郭がガタガタに表示されるはずです。ラスタ形式の画像は、小さな点の集まりと解説しましたが、小さな点の集まりは、拡大すると大きな点の集まりになるので、こういった事態になります。

 

パソコンで絵を描く場合は、できればラスタ形式の画像も、ベクタ形式の画像を扱えるようになると便利でしょう。

 

ロゴマークなどをベクタ形式の画像で作っておくと、縮尺の違うミニチュアのラベルやシールを作る場合に、使いまわしが非常に便利になります。(1/12スケールのミニチュア用に作っていた画像だとしても、ベクタ形式の画像であれば、拡大しても画像が粗くならないので、1/6スケールなどの大きめのミニチュアにも簡単に転用が可能です。)

 

ただ、ベクタ形式の画像は、ちょっと難しいので、最初のうちはラスタ形式の画像が扱えるようになるだけでも大丈夫だと思います。

 

IllustratorやInkscapeといったドローソフトの習熟が難しい点は、このベクタ形式の画像を取り扱う点にあるのかもしれません。